【2006年11月16日】

スピーカーの設計(YS-1501a)


■ 今回使用するスピーカーユニットに関して

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今回、使用するスピーカーユニットは、UsherAudio製ハイエンドウーファーユニット8945PとVISATONE社製ハイエンドセラミックツィーターユニットKE25SCを使用します。
UsherAudioは、ScanSpeak等に似た感じの雰囲気を持つスピーカーユニットメーカーとして知られていますが、単純に形状だけを似せているのではなく、ショートリングの採用や大型の磁気回路、強力な振動板など、物量や設計の面でも匹敵する内容のユニットになっています。
この様に贅沢な設計(大型のマグネットやショートリングの採用)から、スピーカーユニットの歪率等はScanSpeakやSEASのExcelなどの高級スピーカーユニットの中でも特にハイエンドな部類に入るスピーカーユニットと互角以上のレベルになっています。

ちなみに、UsherAudioのスピーカーユニットは一見かなり欧州のスピーカーユニットメーカーの製品に似ていますが、設計をそのままコピーされた物ではなく、独自に設計されています。
この為、スペック等も微妙に異なり、ScanSpeakのスピーカーユニットよりも多少大型なマグネットを採用している為にエンクロジュアに必要な容積がScanSpeakのユニットより小さく(2/3程度)なっています。
これもUsherAudioの魅力の一つではないかと個人的には思っています。

今回、利用するウーファーは、センターに大型のフェイズプラグの付いたデザインの物でScanSpeakも同様のフェイズプラグを搭載した製品を出していますが、ScanSpeakではOEMでしか供給されていないタイプで(デンマークのスピーカーメーカーAVANCE等にScanSpeakのフェイズプラグ付きのモデルが利用されています)DIY市場では手に入りません。
UsherAudioでは、このフェイズプラグ付きのモデルも標準でラインナップされています。
個人的にはScanSpeakバージョンも欲しいですが(笑)、今回はUsherの8945Pを利用してみる事にしました。

今回、ツィーターで採用するVISATONEはドイツでは長い歴史のあるスピーカーユニットメーカーです。
音響解析等にも力を入れ、独自の設計シミュレータや測定ソフト等も作っており、様々な環境での音響システムの開発等も行っており、スピーカーを中心に幅広い技術を持っています。
最近、ヨーロッパのハイエンドスピーカーでもVISATONEのスピーカーユニットを採用した物を見掛ける様になって来ました。
今回利用する、KE25SCはセラミックの振動板を利用したツィーターです。
ドイツではセラミック振動板を使ったハイエンドツィーターが何種類かあります。
セラミックのツィーターがドイツでは人気があるんでしょうか?良く分かりませんが、このKE25SCもそう言ったセラミック振動板を採用したハイエンドツィーターの一つです。
この、ツィーターは分厚いプレートで、後ろにも大きなケースが付いています。
インピーダンス補正用の回路が内臓されているのでしょうか、インピーダンス特性は極めて平坦で、山がありません。
単純な定数で合わせたネットワークを利用した場合でもf0付近のインピーダンスの上昇で上手くフィルターが機能せずに過振幅でツィーターを破損しない様にと言った気遣いかも知れません(親切設計?)。

以前に、このツィーターを利用した時は、高域まで透明感がクリアな音質で確かにハイエンドと言った音質でした。
この構成は、実は知人に頼まれて設計した物をベースにした8945Pバージョンです。
(元は8945Aで設計された物ですが、定数を8945P用に修正してあります)
諸事情により8945Pバージョンから公開する事になりました。
8945Aと8945Pはユニット自体は似ていますが、フェイズプラグが金属で出来ている事などもあり、ネットワークの定数がそのままでは使い回しが出来ません。
近い内に、8945Aの方も公開したいと思います。

■ 測定データとネットワーク

今回このシステムは、六本木工学のエンクロジュアキット15リットルタイプを利用する事にしました。
(ちなみに、8945Aや8945Pを利用するのに15リットルはバスレフで利用する場合に丁度いい容積になっています)
前回同様に測定にはpraxisを利用し、そのデータをSpeakerWorkshopに取り込んでネットワークを設計します。


クロスオーバーは2.6kHz程度で、ツィーター、ウーファー共に3次のネットワークを利用しています。
(ツィーターは、2次でも利用できますが、このウーファーを利用する場合はウーファーには3次以上のフィルターを使う事をお勧めします)
ツィーターユニットは低い周波数になって来ると歪などが多くなって来ますし、ウーファーは高域では分割振動が多くなって行きます。
この為、基本的には鋭いフィルターを利用してネットワークを構成した方が、いい感じの仕上がりになります。
ただ、スピーカーに内臓できる範囲とかユニットのコストとネットワークのコストのバランス等、個々の事情によっても変わると思いますが、基本的には高次の方が特性上は有利です。

ちなみにuHはmHの1/000になります。
(100.0uHは0.1mHとなります)
ネットワークの定数は一般的にある物になっており、コイルは大体AWG16程度の物を利用している事を想定しています。
ウーファー側の2.2mHもコア入りのAWG16程度のケーブルを使ったコイルを利用した事を想定しています。
(他のコイルは空芯のAWG16程度の物を利用した事を想定しています)

ツィーターは、補正無しだと高域にかなりのピークが出てしまうので、パラレルの補正回路を入れてあります。



周波数特性は、こんな感じです。
1.5kHz程度にあるディップはユニットに元々あるディップです。
8945Aには無いディップなので、多分フェイズプラグによる物だと思いますが、形状的にこんなディップが出来るみたいです。
それ程大きなディップではないですし、フェイズプラグの効果で指向特性等は8945Pの方が良いのだろうと思いますが、まぁ8945Aと比べてどちらが良いと言う程の物でもないかな?と思います。

小さい山、谷があった方がハイエンド感のある音になると言う話を聞いた事がありますが、今回、丁度そんな感じになりました。
多分?ハイエンド感のある仕上がりになってると思います。
バッフルステップの補正は程々にしてありますが、もっとがっつりやっても良いと思いますが、僕は最近こんな感じで作ってます。



ちなみにインピーダンス特性は、こんな感じです。
バスレフの共振周波数は、少々低めになっていますので低音の迫力感が欲しい場合、もう少しバスレフポートを短くしても良いと思います。
ちなみにバスレフポートはRITの5cm径の物をカットしないで使った状態になっています。
まぁ、僕はこれでも良いかなと思います。

■ 今回のスピーカーに関して

KE25SCを以前に使った時は、透明感があって高域はクリアでかつやや硬質な感じのハイエンド系?な音でした。
今回はいい感じのハイエンドなウーファーと組み合わせてハイエンドな感じの構成です。
ウーファーに採用しているUsherの8945系は振動板の重量があり分厚い振動板を採用し大型のボビンに大型のショートリングそれに見合うだけの強力な磁気回路(マグネットは非常に巨大です)と言う物量型のユニットです。
さすがに、高級そうな感じの音がするし(笑)低音にも重量感があります。
このクラスのスピーカーユニットを使ってスピーカーを作ると、かなりハイエンドな仕上がりですので、並みのスピーカーユニットでは物足りない感じになってしまうかも知れません。


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